(避難所運営ゲーム)HUG体験会@新宿2015|実施レポート
総論
スキルボート早稲田は、避難所の運営を仮想体験するカードゲーム、HUGの体験会を2015年8月29日に実施しました。
一般を対象に参加者を募集したので、どのくらいの参加者が集まるのかまったく読めなかったのですが、最終的には5テーブル、31名の参加と盛大に実施することができました。
ゲームの進行はHUGに経験の多い麻の実助産所の土屋さんにお願いし、ゲームの意図などを充分説明した上でゲームに入りました。実際にゲームがスタートしてみると、初めて顔を合わせたメンバーとは思えないほど熱意にあふれ、かつ和気あいあいとした避難所運営がなされていました。
また、イベント開始前の机や椅子の準備、終了後の片付を積極的に手伝ってくれて、防災に意識のある一般市民はさすがに違うなと感銘を受けました。
ともすれば避難所の運営や防災は、行政や町会の仕事であると思われています。この種のイベントもそういった関係者を対象に行うことが多いのですが、今回のイベントをすることで一般市民のポテンシャルを目の当たりにすることができました。
一方、準備段階から町会や地区協議会のまちづくり分科会に声をかけており、町会からの参加者が数名ありました。また、雑誌の取材もありました。HUGについての認知の促進にも若干貢献したのではないかと思われます。
また、小さな子どものいる子育て世代こそ避難所の実際について興味があるものと考えていました。そこで託児を実施し、子育て家庭の参加を促進。4名の幼児が託児を利用しました。
HUGの読み上げ係にはモデレーターとしての高い能力が要求されますが、今回はスタッフが充分役割を果たしたものと思われます。スタッフは出来る限りHUG経験者を選抜しましたが、中には未経験者もおり、このため前の週にスタッフ向けプレ体験会を実施して経験を蓄積しました。
ゲームにあたってはオリジナル図面を作成しました。よろしければダウンロードしてご活用ください。敷地(pdf) / 間取り図(pdf) / 体育館(pdf)
私たちは今回の参加者が将来の読み上げスタッフになることを期待しています。また、各地域において体験会の中心スタッフになってHUGを拡散してくれることを期待しています。
イベントの運営の評価はアンケートに詳しくありますが、おおむね高評価でした。
収支面で言うと参加費を500円とした結果、大幅な赤字となりました。しかし、普及のためには参加費がワンコインであることが適当と考えております。次年度以降は助成金などを利用してこれを維持したいと考えています。
実施概要・結果
- 日時
- 2015年8月29日(土)9:30 – 11:45
- 場所
- 戸塚地域センター7F多目的ホール(新宿区高田馬場2丁目18-1)
- 料金
- 500円
- 講師
- 麻の実助産所 土屋麻由美・名嘉真あけみ
- 主催
- スキルボート早稲田
- 後援
- 新宿区(区長室危機管理課)
- チラシ(PDF 1MB以下)
- 参加者合計
- 31名(5テーブル)
- 託児利用
- 4名
- スタッフ
- 11名(読み上げ係5名、総合司会1名、雑務1名、受付1名、託児3名)
- 取材
- 1件(新潮45、10月号掲載予定)
- アンケート回収
- 26枚
収支
- 収入
- 13,000円(26名分×500円、無料参加5名)
- 支出
- 22,189円
- 収支
- △9,189円
アンケート集計
地域
- 新宿区内
- 12名
- 新宿以外の都内
- 7名
- 東京都以外
- 3名
- その他
- 0名
世代
- 10代
- 0名
- 20代
- 3名
- 30代
- 6名
- 40代
- 6名
- 50代
- 2名
- 60代
- 3名
- 70代
- 2名
- 80代以上
- 0名
性別
- 女性
- 13名
- 男性
- 7名
認知経路
- 施設でチラシを入手
- 2名
- イベントでチラシを入手
- 1名
- 知人の紹介
- 12名
- ネットで見つけた
- 2名(東京ウォーカー)
- その他
- 3名(広報しんじゅく、イベントのウェブサイト、Yohoo!ボランティア)
予約方法の評価
- とてもよくない
- 0名
- よくない
- 0名
- ふつう
- 8名
- よい
- 9名
- とてもよい
- 6名
運営の評価
- とてもよくない
- 0名
- よくない
- 0名
- ふつう
- 3名
- よい
- 8名
- とてもよい
- 8名
アンケートコメント
- 最初に様々な事例を話されていましたが情報が多すぎるかな?もしくはヒントを出しすぎ?とも感じました。皆さんそれぞれに意見、知識があり、視野が広がりました。区が決めてあるガイドラインを知らない人が多いのも気になりました。(40代男性)
- HUGを初めて体験しました。どんどんやってくる避難者に対して即断を求められるが、ルールを決めておいてもそのとおりにならないことを次につなげたいと思った。(60代男性)
- 短時間内で皆で協力しながら判断し、振り分ける難しさを実感しました。初参加でとても新鮮で身が締まる思いでした。HUGゲーム、何度でも体験し、意識を高めたいです。周囲の人にもHUGゲーム参加を呼びかけたいです。スタッフの皆様、今日はありがとうございました。(30代女性)
- ペットとトイレの問題が難しいと感じました。(20代女性)
- とてもよかったです。(40代男性)
- 区によって避難所設置ルールが違うということがわかりました。(50代女性)
- 町会の方、新宿区の方の参加もあり、とても有意義でした。ありがとうございました。(40代女性)
- 大変参考になりました。地元の状況を確認したいと思います。(70代男性)
- 定期的に開催してほしい。小学校などでも開催してほしい。(40代女性)
- 大変ためになる体験会だった。継続的な実施を希望する。(20代女性)
- 貴重な経験だったと思います。ありがとうございました。(20代女性)
- もう少し解説の時間が欲しかったです。(40代女性)
- 良かった。(60代)
- 自分の住んでいる新宿区の避難所が発災時どうなるのか考えたことが無かったので(避難場所の確認のみ)、実際もう少し情報を自分で得たほうがいいと感じました。ただ、自治会にも入っていないし、どこでそういった情報が得られるのか今回でもわかりませんでした。マニュアルはHPに公開されているのか、後で調べてみますが、情報として教えて欲しかったです。(30代女性)
- ルールBOOKの小冊子等があるとこのゲームについて伝えやすいです。(40代女性)
- どうして良いかわからず、もたもたしてしまったのが、とても良い経験になりました。今回の経験をもし本番が来たら活かしたいです。(30代女性)
- ルールを知らない人の多いチームの方が、気付きが大きいかもしれませんね。(女性)
- 秩父市在住ですが、秩父は地震に強いので、(秩父は)防災意識が低いことが感じられました。(30代男性)
- 講演会や説明会に比べ、とてもリアリティのある学びの場になりました。その日、その場で会った人で立ち上げて動くのも「共助」のあり方を考える上でとても参考になりました。(60代)
- 地元の備えについてきちんと把握したいと思った。(30代女性)
- 通常の防災訓練ではできない、貴重な体験でした。もっと日頃から準備する必要があると実感した。(50代男性)
- いろいろな年代の方が集まっていて、いろいろ話せて良かった。(30代女性)
託児についての感想
私は基本的に預ける時は、最後の受け渡し時に、その日の様子などを聞きます。今回は夫がまさかの1人でお迎えに行く、という訳で、あまり様子が聞けなかったので、なんとも…という点はあります。
が、その後娘の様子を見ていると、本当に楽しかったという感想を言っていたり、お土産の折り紙のおもちゃで今も遊ぶので、きっと保育担当の方がきちんと子供と向き合って下さったのではないかと推察します。
また、保育の時の様子もきちんと伝えてくれる人だったんじゃないかとも思います。 (その日の様子をあんまり教えてくれない方もいるので…。)
そんなわけで、かなり満足です。
助産士さん、町会役員の方、区役所の方等、いろいろな立場や年齢の方々が参加されていたこともあり、とても勉強になりました。そして、意外なほど和気あいあいとした雰囲気で楽しめました。
息子も、とても楽しかったようです。すっかり顔見知りになったお嬢さんがすでに到着していたせいもあるかもしれませんが、託児をしてくださる方々の優しい感じに安心したのだと思います。すんなり入っていきました。母親の私自身も、初めてお会いした方々なのに安心してお任せすることができました。
部屋の中央の目につくところに子どもが好きそうなシートや玩具があったのも、息子には良かったのだと思います。息子が延々と繰り広げる野球の真似事にもお付き合いいただいたようで、本当にありがとうございました。皆様に、どうぞよろしくお伝えください。
実は、母親としては、最初、別フロアの託児室に預けることに少々不安を感じていたのですが、離れていたことで、より研修に集中することができ、とても良かったです。それから、当日朝に、持ち物等のご連絡をいただけたのも、ありがたかったです。お忙しい中、どうもありがとうございました。